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無電解ニッケルめっきを銅素材に処理する場合の下地処理について

無電解ニッケルめっきを銅素材につけるには?

無電解ニッケルめっき(Ni-P)は、次亜リン酸を還元剤として、還元反応によってニッケル皮膜を析出する自己触媒型めっき技術の一種です。無電解ニッケルめっきの特徴は耐食性や耐摩耗性など、機能性に優れたニッケル皮膜を、ムラなく形成できる点が挙げられます。

自己触媒型無電解ニッケルめっきの詳しい情報はこちら>>

無電解めっきの中でも無電解ニッケルめっきは代表的な種類であり、汎用性の高さから「何でも適用できる」という印象がありますが、処理プロセスはひとつだけではなく、素材に合わせたプロセスにて処理を行う必要があります。

銅にめっきを付ける場合も同様で、銅の性質に合わせた加工を行う必要があります。

銅は自己触媒型無電解ニッケルにおいて触媒として機能しないため、無電解ニッケルめっきの初期析出反応が起こりません。つまり、鉄系素材と同じプロセスではめっきをつけることができないのです。

このため、無電解ニッケルめっきの前に銅素材に適した前処理を実施します。

今回のコラムでは、銅素材への無電解ニッケルめっきをテーマに、処理の際に必要な下地処理、また弊社のめっき技術についてご紹介します。弊社は銅素材への無電解ニッケルめっきに対応しておりますので、めっきでお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。

銅への無電解ニッケルめっきに必要な下地処理

冒頭でもご説明した通り、銅は無電解ニッケルめっきの初期析出に必要な触媒としての機能がないため、めっきをつけることができません。

前述の通り、初期析出に必要な触媒を表面に付ける必要があることから、無電解ニッケルめっきの前にパラジウムによる触媒付与と呼ばれる下地処理を行います。

(上記以外にも、ストライクめっきを行うケースもあります。弊社では銅材への無電解ニッケルめっきの場合、パラジウムの付与を下地処理として行っております。)

以下にて詳しくご紹介します。

パラジウムによる触媒活性化

脱脂、エッチング及び表面活性化を行った後、パラジウムを含む溶液に基材を浸漬し、パラジウムを付着させます。吸着されたパラジウムは触媒として機能し、無電解ニッケルめっき液中で初期還元反応を引き起こします。

そして、銅表面にNiが析出し、析出したニッケルが触媒としてニッケルが析出…と自己触媒型の無電解ニッケルめっきが続いていきます。この反応によって、銅の表面に均一で密着性の高いニッケルが析出されます。

【銅素材への無電解ニッケルめっき工程イメージ図】

銅 加工工程

銅に対し、密着性の良いめっき皮膜が得られる方法として有効な下地処理ですが、パラジウムは貴金属であるため、コストが高くなる傾向があります。

スズキハイテックの無電解ニッケルめっき技術について

スズキハイテックは銅(銅合金)への無電解ニッケルめっきに対応しております。

銅素材への無電解ニッケルめっきにおいては全自動めっきラインもあり、自動車部品や産業機械など様々な製品で実績がございます。

 銅 スズキハイテック 技術

これまでご紹介した通り、そのままの状態では無電解ニッケルめっきが析出されません。もちろん、この全自動ラインでも、素材に合っためっき前処理工程(パラジウム触媒の付与を含む)を構築しております。

弊社では、お客様が求める品質やコストのご要望等をお伺いし、パラジウム触媒付与を含むめっき前工程の最適なめっきプロセスのご提案をいたします。

銅素材への無電解ニッケルめっきにおいて、お困りのことがございましたらお気軽にご相談ください。

独自技術「SSNプロセス」ではんだ濡れ性の向上も実現

弊社、スズキハイテックは大正3年に創業以来、お客様のモノづくりの挑戦をめっきで支えてまいりました。長年培ってきたノウハウをベースに、従来のめっき技術の提供にとどまらず、次世代の製品開発を支えるための新たな技術開発にも取り組んでおります。

無電解ニッケルめっきにおいては、はんだ濡れ性を改善する「SSNプロセス」を開発いたしました。

従来の無電解ニッケルめっき(高リンタイプ)は、耐食性とはんだ濡れ性が相反する関係にありました。この課題に対し、SSNプロセスは高リンタイプのはんだ濡れ性を改善し、高い耐食性とはんだ濡れ性の両立を実現します。(全タイプに対応)

【SSNプロセスイメージ図】
SSNプロセス 銅 はんだ実装性比較イメージ

【通常の無電解ニッケルめっきとSSNプロセス無電解ニッケルめっき被膜特性の比較表】
銅 SSNプロセス 皮膜特性比較表

はんだ濡れ性を改善する「SSNプロセス」の詳細はこちら>>

適用例、詳細につきましてはお気軽にお問い合わせください。

銅への無電解ニッケルめっきのご相談はスズキハイテックまで

今回は銅素材への無電解ニッケルめっきについてご紹介しました。

無電解ニッケルめっきは無電解めっきの中でも汎用性の高いポピュラーなめっき技術ですが、素材に合わせた処理が必要となります。銅素材もそのひとつで、銅自体で初期の還元反応を起こすことができず、めっきが析出されないため、パラジウム触媒の付与が必要となります。

弊社では銅素材への無電解ニッケルめっきのご依頼に対応しております。パラジウム触媒の付与を始めとするめっき前のプロセスにつきましても最適な工程をご提案いたしますので、表面処理にて課題がございましたらお気軽にご相談ください。

お問い合わせ先はこちら
電話番号:023-631-4703
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