錫めっきがはんだ付け性に優れている理由と種類別の特徴を解説

錫めっきのはんだ付け性が高い理由や特徴を解説
錫めっきは、はんだ付け性に優れた表面処理技術です。
錫は融点が約232℃と比較的低く、熱を加えると容易に溶けます。そのため、はんだ付けの際には接合部ではんだがなじみやすく、安定した接合が可能です。
はんだ付けが必要な部品のめっきには、従来は錫と鉛の合金めっきが多く使用されてきました。鉛ははんだ付け性に優れるというメリットがありますが、人体や環境への影響が懸念され、現在ではRoHS指令により電子機器での使用が大きく制限されています。
こうした背景から、近年は毒性が低く、環境負荷の少ない純錫めっきや他の合金めっきが鉛合金の代替として広く普及しています。
錫めっきと半導体リードフレームの関係
半導体リードフレームは、半導体チップと外部回路を電気的に接続するための導電性フレームで、半導体パッケージの重要な構造部材です。
このリードフレームの表面には、はんだ付け性や耐久性を向上させるために錫めっきが施されることが一般的です。錫は柔らかく展延性に優れているため、微細な部品にも均一にめっきできます。また、金や銀などの高価なめっき材料に比べてコストを抑えられる点も、錫めっきが広く採用される理由の一つです。
近年は電子部品の微細化に伴い、錫めっきの膜厚の均一性や密着性などの技術向上がより一層重要視されています。
錫めっきの種類別にはんだ付け性などの特徴を解説
錫めっきには、はんだ付け性などの性能や対象の用途に応じたさまざまな種類があります。錫のみの純錫めっきだけでなく、錫-ビスマス(Sn-Bi)、錫-銀(Sn-Ag)などの合金めっきもあり、それぞれはんだ付け性や耐久性などに特徴があります。
選定においては、はんだ付け性のよさだけでなく、ウィスカ(微細な金属突起)の発生抑制、耐食性の高さ、機械的強度の高さなどへの考慮も必要です。用途によっては、見た目の光沢やめっき速度、膜厚の均一性なども選定基準となるため、目的に応じた適切なめっき種を選ぶことが大切です。
純錫めっきの特徴とはんだ付け性
純錫は、純度の高い錫(金属Sn)で構成された材料です。比較的安価で入手しやすく、毒性が低く環境負荷も小さいことから、錫めっきに広く利用されています。
かつてはウィスカの発生を抑えるために鉛との合金めっき(Sn-Pb)が主流でしたが、鉛の使用が規制されたことから避けられるようになりました。近年では、純錫めっきでも下地処理や工程管理などの工夫によってウィスカ発生リスクを低減できることが分かってきており、コスト面や工程管理のしやすさから採用が増えています。
純錫は手で曲げられるほど柔らかく加工性に優れる一方で、機械的耐久性には限界があります。耐久性や長寿命が求められる用途では、純錫めっきではなく合金めっきのほうが適している場合もあるため、それぞれの特徴を理解することが大切です。
錫の合金めっきの特徴とはんだ付け性
錫の合金めっきは、錫にほかの金属を加えることで、はんだ付け性や接合信頼性の向上、ウィスカ抑制などの特性改善を目的としたものです。
代表的なものに錫-ビスマス(Sn-Bi)めっきがあります。Sn-Biめっきは鉛合金に近いはんだ付け性を持ち、融点が低く有害物質を含まないことから、鉛フリー代替として電子部品に広く利用されています。
各合金めっきには一長一短があるため、使用環境や求められる性能を正しく把握した上で、最適な種類を選定することが重要です。
スズキハイテックの錫めっきの特徴
スズキハイテックは、長年にわたり培ってきためっき技術と継続的な設備投資により、高品質な錫めっき処理を提供しています。
高精度なめっきラインを完備し、高い寸法精度や接合信頼性が求められる半導体、自動車部品などの業界ニーズに対応しています。また、多品種・小ロットから大ロットの量産案件まで柔軟に対応できる体制も整えており、提案から量産フェーズまで一貫してサポートが可能です。
ここでは、スズキハイテックの錫めっきの特徴をご紹介いたします。
各種めっき装置で多様な大量生産が可能
スズキハイテックでは、さまざまな形状や材質のめっき対象製品に対応するため、ラックレス連続めっき装置、バレルめっき装置、ラックめっき装置など複数のめっき設備を導入しています。製品ごとに最適な工程でめっき処理を進められ、安定した品質を保ちながら大量生産にも対応することが可能です。
また、社内には最新の分析機器や測定・検査装置も整備されており、自動化による品質管理の向上にも取り組んでいます。自動化によって、生産数量の多い半導体リードフレームなどにおいても短納期での納品が可能となっています。
デラミレスプロセスでバリ除去と密着性改善
リードフレームと半導体封止樹脂の界面で発生するデラミネーション(剥離現象)は、界面密着性の低下や水分・不純物の侵入による腐食を招き、半導体製品の信頼性を大きく損なう可能性があります。
スズキハイテックでは、この課題を解決するために独自の「デラミレスプロセス」を導入しています。デラミレスプロセスは、封止樹脂の健全性を保持しながら緻密で確実なバリ除去を実現できる技術です。
とくに熱硬化性樹脂で封止された製品の量産工程においては、従来課題となっていたデラミネーションの発生が抑制され、高品質かつ安定した供給が可能になっています。
錫めっきのはんだ付けはスズキハイテックにお任せください
本記事では、錫めっきがはんだ付け性に優れている理由や種類ごとの特徴、そしてスズキハイテックの技術力や設備体制についてご紹介しました。
スズキハイテックでは、純錫めっきはもちろん、錫ビスマスなどの合金めっきにも対応しており、お客様の用途や目的に応じた最適な処理方法をご提供しています。技術的なご相談から試作、量産まで、専門の技術スタッフが丁寧かつ迅速に対応いたします。
高品質かつ環境に配慮した錫めっきをお求めの際は、ぜひスズキハイテックまでご相談ください。お客様の製品に最適なめっき処理を提案させていただきます。
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