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MPU用リードフレームのめっきの重要性を紹介!技術や後工程も解説

MPU用リードフレームのめっきの重要性とは

MPU用リードフレームへのめっきは、MPUを内蔵する電子機器の性能や製品寿命に直結する重要な工程です。

MPU(マイクロプロセッサユニット)はコンピュータや車載機器を始めとするさまざまな電子機器の中枢を担う部品であり、その信頼性は製品全体の品質を大きく左右します。

MPU用リードフレームへのめっきには、とくに錫めっきや錫-ビスマス合金めっきが用いられることが多く、はんだ付け性や耐食性の向上、電気的特性の安定化に貢献しています。

ここでは、MPU用リードフレームへのめっきがなぜ重要なのか、どのように役立っているのかを詳しく見ていきましょう。

はんだ付け性の向上

MPUを始めとする半導体のリードフレームへのめっきには、錫や錫-ビスマス合金が用いられることが多いです。錫や錫合金を用いることで、はんだ付け性を向上させられます。

錫は融点が約232℃と低く、加熱すると速やかに溶融し、接合部ではんだと良好に馴染みます。そのため、半導体チップと外部基板との接続が安定しやすく、導通不良や接触抵抗の増加を防ぐことが可能です。

さらに、純錫や錫-ビスマス合金めっきは鉛を含まず環境に優しいだけでなく、下地処理や後工程の工夫によってウィスカ発生のリスクを抑制できるというメリットもあります。

耐腐食性の向上

リードフレームは、使用環境によって湿気や腐食性ガスなどの影響を受ける可能性があります。そのためリードフレーム表面には、耐腐食性を確保できるめっき処理が必要です。

錫めっきは比較的安価でありながら高い耐食性があり、酸化膜形成によって表面を保護する特性を持っています。さらに錫-ビスマス合金めっきなどを用いることで、耐食性と同時に機械的耐久性も向上させることが可能です。

腐食の抑制は、はんだ付け部の信頼性を高めるだけでなく、長期的な導電特性の安定にもつながります。

とくに自動車や産業機器に搭載されるMPUでは、過酷な環境下でも安定動作を実現するために、耐腐食性に優れためっき技術が求められています。

電気的特性の安定化

リードフレームの役割は、半導体チップと外部回路を電気的に接続することにあります。そのため、電気的特性の安定化はめっきに求められる重要な要素です。

錫は電気伝導性が高く、表面に施すことで接触抵抗を低く抑えられます。また、均一な膜厚を確保することで電流分布の偏りを防ぎ、信号伝送の安定性を向上させられます。

近年のMPUは微細化・高性能化が進み、ノイズ耐性や高速伝送への対応が強く求められていますが、こうした要求に応えるためには表面処理の均一性と密着性が重要です。

MPU用リードフレームへのめっき加工の後工程を解説

リードフレームへのめっき加工後は、MPU用リードフレームの信頼性を高めるための後工程も欠かせません。

代表的なものにバリ除去、ウィスカ予防などがあります。近年のMPUは微細化・高密度化が進んでいるため、わずかなバリやウィスカでも導通不良やショートの原因となりかねません。

そのため、インラインウオータージェットバリ取り、めっき装置を活用し、製品の寸法や品質を損なわずに確実にバリを除去する必要があります。さらに、錫を用いためっきの場合、アニール処理(焼きなまし)を行い、ウィスカの発生を抑制することも重要です。

このように、めっき後の工程も徹底することが、MPUの信頼性を支えています。

MPU めっき 作業の様子

スズキハイテックのMPU用リードフレームへのめっき技術

スズキハイテックでは、長年培ってきた表面処理技術と豊富な設備を活かし、MPU用リードフレームに最適なめっきを提供しています。

めっきには純錫や錫-ビスマス合金といった素材を用い、MPU用リードフレームのはんだ付け性や耐食性を高めることが可能です。

さらに、ラックレス連続めっきライン、ラック式めっきラインなど多様な設備を保有しており、製品の形状や材質に応じた処理が可能です。

また、自社独自のデラミレスプロセスによって、バリ除去性を高め、封止樹脂との界面剥離(デラミネーション)を抑制することにも成功いたしました。

ここでは、スズキハイテックのめっき技術の強みをご紹介いたします。

錫・錫ビスマスめっきの大量生産に対応

スズキハイテックでは、はんだ付け性に優れた純錫めっきと、ウィスカ抑制や耐熱性に優れた錫-ビスマス合金めっきの両方に対応した量産ラインを保有しています。

複数のラインを駆使し、生産数量の多いMPU用リードフレームも短納期で安定して提供することが可能です。

たとえばラックレス連続めっきラインでは、微細化が進む半導体リードフレームに対しても均一な膜厚を実現し、品質のばらつきを最小限に抑えています。

さらに、社内に分析装置や検査設備を完備しており、各種測定、評価を通じて品質を厳格に管理しています。電子機器や自動車分野など、信頼性がとくに重視される市場においても、高品質な錫・錫ビスマスめっきを安定して提供することが可能です。

独自のデラミレスプロセスを採用

リードフレームのめっき後の課題の一つに、封止樹脂との界面で発生するデラミネーション(剥離現象)が挙げられます。これは半導体製品の寿命や信頼性を大きく損なう要因となるため、以前より改善が求められてきました。

スズキハイテックでは、独自に開発したデラミレスプロセスを導入し、従来のアルカリ浸漬や電解処理に比べて樹脂バリ除去性を高めることに成功しました。これにより、デラミネーションの発生を大幅に抑制することが可能です。

なお、弊社ではデラミレスプロセスのほか、対象製品に応じてさまざまなスペックのバリ除去ラインも完備しております。

MPU めっき 新工場の様子

MPU用リードフレームへのめっきはスズキハイテックにご相談ください

MPUは電子機器の中核を担う重要な部品です。その性能と信頼性を最大限に引き出すためには、リードフレームへの高品質なめっき処理が欠かせません。

スズキハイテックは、MPU用リードフレームへのめっきに対応しています。

多様な自動めっきラインを活用した大量生産体制と、分析機器などによる厳格な品質管理により、安定した品質をお届けします。また、試作から量産まで、ご要望に応じて一貫したサポートが可能です。

MPU用リードフレームのめっき加工に関する課題やご要望は、ぜひスズキハイテックにご相談ください。

お問い合わせ先はこちら
電話番号:023-631-4703
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