1. HOME
  2. コラム
  3. コラム
  4. QFP用リードフレームのめっき加工技術と選定方法を徹底解説

COLUMN

コラム

QFP用リードフレームのめっき加工技術と選定方法を徹底解説

QFP用リードフレームのめっきの役割とは?

QFP(Quad Flat Package)用リードフレームへのめっきとは、半導体パッケージの外部端子となるリードに金属膜を施し、はんだ付け性・耐食性・電気的信頼性などを高めるための表面処理です。

QFPは、四方向に細かなリードが伸びる構造を持ち、実装密度が高いです。ですがQFPを始めとするリードフレームの多くは主に銅材で作られており、酸化やはんだ不良が発生しやすいという課題があります。そのため、銅を母材とするリードフレームには錫めっきや錫ビスマスめっきなどを施し、酸化防止・ウィスカ抑制・ワイヤボンディング性などに役立てます。

適切なめっきを施すことで、実装工程での不良リスクを抑え、半導体パッケージ全体の信頼性を大きく向上させることが可能です。

ここでは、QFP用リードフレームに対するめっきの役割について解説します。

はんだ付け性の向上

QFP用リードフレームへのめっきで重要な役割の一つが、はんだ付け性の向上です。QFPは四辺に極細なリードを接続する必要があるため、はんだが適切に濡れ広がらないと実装不良につながりやすくなります。銅素材のままでは酸化によって表面が変質し、はんだが広がらず濡れ性が大きく低下します。

錫や錫ビスマスなどのめっきを施すことで、はんだが均一に広がる表面状態を形成でき、実装工程での接続の信頼性を大幅に向上させることが可能です。

また、はんだ付け性を安定させることで、QFPのような多ピンパッケージでも安定した量産ができるようになり、実装ライン全体での安定した生産品質の確保にも役立ちます。

耐食性・酸化防止

QFP用リードフレームは銅を主材料としているものが多いため、放置すると表面が酸化しやすく、接触抵抗の増加につながります。そのため、めっきによって端子表面を保護し、酸化・腐食・硫化などによる劣化を抑える工程が必要です。

とくに電子部品は高温多湿の環境や長期保管が避けられないケースも多いので、耐食性の高いめっきを選び、長期の信頼性を確保することが大切です。

錫や錫ビスマスなどは、表面の安定性を高めながら実装工程での変色や酸化膜形成を抑制します。QFP特有の細ピッチリードでも電気的性能を維持し、半導体デバイスとしての品質を長期に渡って安定させることが可能です。

QFP リードフレーム めっき スズキハイテックの画像

QFP用リードフレームへ用いられるめっきの種類

QFP用リードフレームには、用途や要求特性に応じて複数種類のめっきが選ばれます。以下に、その代表的な種類と特徴を紹介します。

  • 錫めっき

実装時のはんだ付け性を重視しためっきの種類です。コストと性能のバランスがよく、量産にも適しています。

  • 錫ビスマスめっき

ウィスカ対策のために、錫ビスマスめっきが採用されるケースも多いです。ビスマスは、鉛とよく似ためっきができるものの、毒性が低いという特性があります。

  • ニッケル・パラジウム・金めっき

内部接続用のワイヤボンディング部において、ボンディング強度と耐食性を両立します。高い信頼性が求められる車載・産業用途などでは、ニッケルめっきを下地に設けた多層めっきが採用されるケースもあります。

これらのようなめっきの種類を適切に使い分けることで、QFPの性能と製品寿命を最大限引き出すことが可能です。

QFP用リードフレームのめっき加工業者の選び方

QFP用リードフレームは微細なリード形状を持ち、めっきの品質がそのまま製品寿命にも直結します。そのため、めっき加工業者を選ぶ際は、品質、対応力、技術力をバランスよく満たしているかが重要なポイントになります。

車載・産業用向けなどの厳しい基準が求められる製品の表面処理を依頼する際は、設備や工程管理のレベルも大切です。

ここでは、QFP用リードフレームへのめっき処理の依頼先を探す際に意識したいポイントを紹介します。

品質管理体制と検査設備

めっき加工業者を選ぶ際は、品質管理体制と検査設備のレベルをしっかり確認しましょう。QFPのような細ピッチリードでは、ほんの数μmの膜厚ばらつきや局所的な酸化が致命的な不良につながります。

管理体制が整った業者であれば、高精度な表面処理が期待できるだけでなく、不良の発生率も抑えられ、スケジュールどおりの納品が可能になるでしょう。万が一不良が発生した際も、管理体制が充分であれば不具合の発生箇所を迅速に特定でき、速やかに後れを取り戻すことが可能です。

さらに膜厚測定器、外観検査装置、顕微鏡、表面分析装置などの設備が整っている業者であれば、納品物の手戻りも少なくなるでしょう。

納期・ロット対応力・コストの総合評価

めっき業者を比較する際は、品質だけでなく、納期への対応力やロットの柔軟性、コストパフォーマンスなどを総合的に評価することも大切です。

QFPの量産現場では、急な数量の変更や短納期での対応が発生することも多く、設備のキャパシティやラインの柔軟性が直接納品スケジュールに影響します。

また、試作品などの少量での対応が得意か、量産への切り替え時の立ち上げがスムーズかなど、製造フェーズごとの対応力も大切です。

コストについても、単価だけで判断するのではなく、供給が安定しているか、継続して依頼を続けられるかなどを含めて総合的に評価し、長期的に信頼できるパートナーを選ぶようにしましょう。

QFP リードフレーム めっき スズキハイテックの画像

QFP用リードフレームのめっきはスズキハイテックにお任せください

QFP用リードフレームのめっきは、製品の品質につながる極めて大切な工程です。リードフレームの微細化が進む現在、膜厚精度、ウィスカ抑制、酸化防止など、求められる管理レベルは高くなっています。

スズキハイテックは、こうした高度な要求に応えるため、錫や錫ビスマスめっきなど、多様な表面処理に対応しています。ウィスカ対策として独自のデラミレスプロセスを開発し、デラミネーショの抑制にも成功いたしました。

また、めっきラインは自動化されており、24時間管理のもと、安定した品質を実現しています。

リードフレームのめっきについては、100mm幅まで対応しており、効率的な量産も可能です。QFPを始めとするリードフレームへのめっき処理のご依頼は、ぜひスズキハイテックにご相談ください。

お問い合わせ先はこちら
電話番号:023-631-4703
お問い合わせフォーム
https://www.sht-net.co.jp/contact/

関連記事