ECU用半導体部品へのめっきの役割と重要性を解説!加工プロセスも紹介

ECU用半導体とめっきの基礎知識
ECU用半導体の基礎と、めっきの重要性について分かりやすく解説します。
ECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)には、マイコンやパワーICなど、さまざまな半導体部品が搭載されています。これらの半導体部品は、外部の回路と接続するためにリードフレームや基板上に実装されるのが一般的です。
その接続部の信頼性や耐久性を確保するためには、半導体部品や端子部へのめっき加工が欠かせません。めっきは対象の表面にはんだ付け性や耐食性を付与し、長期間にわたって安定した導通を維持する役割を果たしています。
ここでは、ECU用半導体の役割と、めっきの重要性を詳しく解説します。
ECU用半導体の役割
ECU用半導体部品は、車載機器や産業機器などの制御システムにおける重要な部品です。エンジン制御やモーター制御、各種装置の安定制御など、多岐にわたる機能を担う信号処理や演算を行っています。
なかでも車載機器や産業機器は高温、多湿、振動、電磁ノイズなど過酷な条件下にさらされることが多いため、半導体の接続部や導通経路の信頼性は非常に重要です。リードフレームとの接続が不安定だと、信号遅延や断線、故障につながる可能性があります。
したがって、ECU用半導体部品は単なる信号処理のための部品ではなく、システム全体の安全性や性能を支える中枢部品として設計、実装されています。
ECU用半導体にめっきが必要な理由
ECU用半導体部品は、外部回路と電気的に接続される必要があります。ですが素地のままでは酸化や腐食が起こりやすく、接触不良を起こして信号の伝達が不安定になったり、誤動作の原因になったりします。
そのような不良を防ぐため、半導体部品にはめっきが施されるのが一般的です。めっきは対象の表面を保護し、電気的接続を安定させるとともに、耐熱性や耐食性も向上させます。また、はんだ付け性の向上により、接合強度も確保することが可能です。
このように、めっきは車載機器など過酷な環境で使用される半導体部品の、安定した動作に貢献しています。
ECU用半導体に用いられる錫めっきの特徴
ECU用半導体部品へのめっきには、錫や錫-ビスマス合金が用いられるのが一般的です。錫は低融点ではんだ付け性が高く、環境規制に対応した鉛フリーでの処理ができることが特徴です。
また、柔軟性に優れ、微細なリードフレームや複雑な形状の部品にも均一にめっきしやすいというメリットもあります。さらに錫-ビスマス合金めっきは、鉛合金に匹敵するほどのはんだ付け性を持ち、ウィスカの発生を抑え、耐食性も高めます。
用途や求められる性能に応じて、純錫、錫-ビスマス合金、さらにはほかの素材のいずれを使用するかを検討しましょう。
ECU用半導体めっきの製造プロセス
ECU用半導体部品へのめっきは、複数の工程で構成されます。以下に、錫および錫合金めっきの一般的な流れを解説します。
- 対象の半導体部品の表面を化学的に洗浄し、油分や酸化膜を除去する前処理を行う
- 純錫または錫合金めっきを施す
- 樹脂封止で生じるバリの除去、表面仕上げを行う
- 膜厚の測定や接合強度の試験などを実施し、品質を確認する
これらの工程の間にはさらに細かく水洗が挟まったり、めっきの対象製品によっては別の工程が入ったりすることもあります。また、業者によっても細かな工程は異なるため、依頼前に工程内容や仕様を確認しておくと安心です。
スズキハイテックのECU用半導体めっき技術
スズキハイテックは、長年にわたり培ってきた表面技術と高度な設備を活かし、ECU用半導体部品に最適なめっき処理を行っています。
ECU用半導体部品へのめっきでは純錫および錫-ビスマス合金めっきに対応しており、はんだ付け性や耐食性の向上、電気特性の安定を実現しています。製品の用途に応じて適切なめっきを提案いたしますので、お気軽にご相談ください。
また、多様な自動めっき装置を導入しているため、大量生産のご依頼も短納期での納品が可能です。
ここでは、スズキハイテックのECU用半導体部品へのめっき技術を紹介いたします。
製品の用途に合わせて適切なめっきを提案
ECU用半導体の使用用途や使用環境は製品によって多岐にわたるため、単一のめっき装置では対応しきれません。
スズキハイテックでは、お客様の製品の使用用途や使用環境などの要件に応じて、最適なめっきの種類、膜厚、下地処理などを提案しております。高温環境での使用や長期の耐久性が求められる製品、コストや量産性が重視される製品など、個別にもっとも適しためっきを施すことが可能です。
ECU用半導体部品へのめっきは、創業以来110年以上表面処理に携わり続けてきた知識と経験があるだけでなく、積極的に最新技術の研究開発にも取り組んでいるスズキハイテックにご相談ください。
独自のバリ除去技術・デラミレスプロセス
封止樹脂と半導体部品の界面で発生するデラミネーション(剥離現象)は、密着性の低下の原因となってしまいます。水分や不純物が入り込むことで腐食が進みやすくなり、半導体製品の信頼性が大幅に低下する可能性もあります。
デラミネーションを防ぐには、めっき後に徹底してバリを除去することが大切です。
そこでスズキハイテックでは、独自にデラミレスプロセスを開発いたしました。デラミレスプロセスは、従来のアルカリ浸漬や電解処理といった手法よりも、より高精度にバリ取りを行える技術です。
車載部品など、とくに高い信頼性が求められる製品において、高くご評価いただいております。
ECU用半導体のめっきならスズキハイテックにご相談ください
ECU用半導体部品の信頼性を高めるためには、はんだ付け性や耐食性の向上、電気的特性の安定が欠かせません。
スズキハイテックでは、純錫めっきや錫-ビスマスめっきの適切な選定から、均一な膜厚での処理、高精度なバリ除去まで、一貫して対応しております。
また、2025年には生産体制の強化と品質向上を目的に、尾長島工場を増設しました。最先端の自動めっき装置を導入したことで、より高品質なめっきを安定して提供できる体制を確立いたしました。再加工や検査工数の削減によるコスト低減に加え、短納期かつ安定した供給で、お客様の生産計画を力強く支援いたします。
ECU用半導体部品へのめっきに関するご相談は、以下フォームをご活用ください。
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